バーズについて
2020年の3月から5月にかけて、私たちはよく話をしていました。その集まりは、直に会うかたちからオンラインへと場所を変えざるを得ませんでしたが、このコロナ禍以前から徐々に悪化が進んでいたであろうアーティストやクリエイターをめぐる状況に対し、何ができるかについて真剣に話し合っていたと思います。
当初のアイデアであった、多くの人が集まる場をつくるような企画の理念は継承しながら、実際に集まること以外の方法を考えた結果のひとつが、このウェブサイトです。バーズというチームの名前は複数の意味が重なってできたものですが、そのうちの意味の1つは“鳥たち(birds)”です。鳥は一羽でふらふら飛んでいるときもあれば群でいるときもある。それは私たちバーズの態度とも一致しています。共通する認識を持つ場合もあれば、個々の動機によって何かを行う場合もある、そのような考えのもとに進んでいこうと思っています。
このサイトの目的は、インタビューやコラムを通してアーティストやクリエイター、その他多くの人々の活動や考えの視覚化とその普及です。主には文章よってそれらのコンテンツをアーカイブしていく予定ですが、それは言葉が最も精確に伝播されていくからであると私たちは考えています。つまりはウェブという媒体において正しく伝わっていき、見た人がじっくり考えることができる速度を考慮したときの最適な方法として、それを選びました。
思い返してみると私たちが芸術をすばらしいと思ったのは、その人しか考えたり思いつかなかったものがかたちを持って存在し、それが世界の総体を増やしているところですし、それは今後も変わることはないでしょう。まさにこのウェブサイトがやろうとしているのは、「こんなことを考えている人がいるのか!」という人たちがたくさんいること自体が見えてくる、そんな多彩な状況の視覚化です。