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今回泊まるコンドミニアムはケソンシティーというマニラの北に位置するエリアで、こちらで協力してくれるload na ditoのマークさん・平野さん夫妻が住まれているエリアに近いので選んだ。午前中はスーパーマーケットで水や食料を少し買い、午後に平野さんご夫妻に会いに行く。ケソンシティーはショッピングモールなどがいくつも開発されている最中で、平野さんの住まれている地域はマニラの中でも比較的安全な場所に位置している。

待ち合わせ時間ちょうどに家の前に着くと、平野さんとマークさんが玄関で待っていてくれた。僕のリサーチを今回サポートしてくれる、アーティストのジェロームとも挨拶をする。家の前には近所の子供達がいて、犬の散歩途中の子や自転車で走り回っている子、リアカーで段ボールを集めている子供達が全部で7、8人集まっていた。家の中に入ると、ボードゲームをしようと一人の男の子が言い出し、とりあえずモノポリーが始まった。猫の介在が入る中でのモノポリー。サイコロが任意で弾き飛ばされる新しいルールが付加された。久しぶりにモノポリーをやってみて、これは子供が資本主義の構造や売買を覚えていくように設計されている、と感じた。

大きなモールが林立している近くのエリアに夕食を食べにいく。もともとアーティストが集まって何軒かギャラリーがあったらしいが、今はバーやレストラン、少しきれいめの理髪店や雑貨店が入って、若者たちで賑わっていた。街中で会う人たちとは、明らかに身につけているものの質や綺麗さが全く違うので、ここに来ている人たちは生活が豊かな層であることが明快にわかる。典型的なジェントリフィケーション。家賃の高騰によって以前あったアーティストのスペースはなくなってしてしまったらしい。マークさんに「ここに集まっていたアーティストはどこ行ったの?」と聞くと、やはりわからないとのこと。場所がなくなると、動向は見え辛くなる。それはニューヨークでも同じような話を聞いたり、感じたりしたことだった。アーティストが最初に安価な土地に住み、そこがファッション化され、地価が高騰してく。
一旦帰宅し、これからの計画について色々話を聞いてもらう。帰りは、夕食を食べている時にジェロームが教えてくれた「Joyride」という配車アプリを使い、高校生以来のバイクの二人乗りで帰路に着く。

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