香川裕樹 個展 “ 置いたものを見る方法 ”

                               タイトル未定(部分)2023       



“ なぜその時それをそこに置こうとしたのかといった理由や動機のようなものは

  いずれ忘れてしまい、二度と思い出すこともなく消えていってしまいます。

  自分が行った配置という行為の結果のみが、作品という形式を用いて

  別の時間や空間で存在していて、それらを当時と同じような感覚や眼差しで

  見つめることはできないことも分かっています。

  作品を意図的に固定しないことは仮設とも再現とも異なる大きな枠組みから

  逃れるための手段に過ぎないのかもしれません。              ”



                                ー 香川裕樹



2023年5月3日(水・祝) 〜 27日(土) 

開廊日:金曜 - 日曜 及び 祝日 13:00 ~19:00
会 場:NEST(ネスト)google map
    〒543-0045 大阪市天王寺区寺田町2丁目1-16 三隅ビル 2F
    JR天王寺駅北口から徒歩8分、JR寺田町駅北口から徒歩3分


この度、本年2月よりBirdsが運営を開始した拠点「NEST(ネスト)」にて、初の展覧会として香川裕樹(かがわ ひろき)による個展を開催いたします。

本展は、約1ヶ月間の搬入期間を設けた上で開催されます。
香川の作品は、ものを置くという行為を起点としながらも、固定や配置の維持は想定されておらず、ある程度の時間を要しながらその都度の展示される空間毎に配置され、組み立てられてゆきます。それは唯一の正解として、固定されたかたちや構成を持つ作品をただ搬入するような再現や仮設ではなく、「置いた対象と対峙可能な状態」が不安定なまま保たれることで、見るという行為や作品の完成を宙吊りの状態にしながら、展示として成立させています。
今回の展示は、そのような香川独自のアプローチを長期間設けることによって、考える深度を生み出してゆくこと、もしくは制作場所/展示場所といった場所の区分を捉え直してゆくことを試みています。NESTはただ発表のための展覧会を行うだけではなく、作品制作のための実験や、新たな試みを行う環境として余白のあるかたちを目指しており、本展はそういった可能性を含んだ場所を成長させていくための実験的側面も持ち併せています。

また、展覧会期間終了後には、アフタートーク等のイベントを開催致します。(※このイベントには、事前の展覧会期間中に来場したお客様にのみ、開催日時などの詳細を公開します。)このアフターイベントの開催時には作品の展示はありませんが、事前に作品鑑賞をした経験と併せ、作品にまつわる話や作家本人のみならず、香川の作品を見た人々がそれぞれの視点で、「見る」ということについて考える場を生み出したいと思っています。

香川裕樹|Hiroki Kagawa

1988年香川県生まれ 。京都造形芸術大学 空間演出デザイン学科 卒業
既製品や日用品を用いたオブジェやインスタレーション制作を行う。
主な個展に「配置と放置」 (MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w 2014)。主なグループ展に「未来の途中プロジェクト 未来の途中の、途中の部分」( 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA 2017)、「未来の途中のリズム-美術・工芸・デザインの新鋭10人展」 (京都工芸繊維大学美術工芸資料館 2016)、「Installing of the Exhibition “BNF” & Artist」(ARTZONE 2015 )、「KUAD graduates under 30 selected」 (京都造形芸術大学 Galerie Aube 2014) 、「これからのそれから…And Then」 (MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w 2013) など。

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