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今日は午後からマカティという都市部のエリアにあるNielson Towerに行く。ここはイギリス人のニールソンによって設計されたフィリピンで初めての民間飛行場の管制塔で、戦中は日本軍が司令部として利用していた場所。それが今は建物だけを残して、おしゃれなレストランになっている。ランチをいただくから中を見せてくれと言うと快くOKしてくれた。写真を撮った後、テラス席に座りパスタとドリンクを注文する。1100ペソ(約2800円ぐらい)というなかなかの値段。
その後、そこから徒歩10分ぐらいのところにある、国際交流基金マニラ文化センターへ、鈴木 勉(ベン)さんという方に会いに行く。大阪アーツカウンシルでお世話になった中西美穂さんにフィリピンへ行く旨を話したところ、ベンさんという方がいるから訪ねてみたら、と紹介して頂いていた。交流基金の事務所はマカティの北側の超高層ビルの23階にあった。待ち合わせ時間ちょうどに伺うと、鈴木さんが出迎えてくれた。なんと、フィリピンの交流基金の所長さんだった。鈴木さんは僕の今回のプランや、いまマニラに来てどう感じているかなどをすごく丁寧に聞いてくれて、僕の知らないフィリピンの現状もたくさん教えてくれた。
特に驚いたのが、フィリピンの西側の海域で起こっていることについてで、この辺りの海域の所有を巡って、フィリピンと中国が揉めているのは事前の情報収拾で知っていた。中国が領海を主張し、島にもなっていない浅瀬を埋め立てて自国の海域を主張しているのに対し、フィリピンは国際司法へ申し立てを行うなど真っ向から対立している。(参考url : https://www.jiji.com/jc/d4?p=ume622-jpp021852003&d=d4_tt)
ベンさんが言うには、そこに日本とアメリカも大きく関与しているのが現在の状況らしい。マニラから西に80km行ったあたりのスービック湾というところがある。フィリピンと中国が争っている海域に近接するフィリピンの国土がここで、この港を貿易開発するという名目で、日本は多額の援助金を出しているらしいのだ。( https://www.jica.go.jp/oda/project/PH-P215/index.html )歴史的に見れば、このスービック港はもともとアメリカ海軍の基地があった場所でもある。そして、最近日本から軍事利用目的としか思えないものがどんどん持ち込まれている。中でも、日本が自衛隊で使用しているような巡視船の100mを超える大型のものが、“多目的船”という名目で持ち込まれているらしい。現在進行形の米中-間の牽制に、フィリピンと日本がどのように関わっているかが如実に表れている。そしてこの事実が日本で全く報道されていないことに驚く。